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タオル業界の機械シリーズ -1.乾燥機-

2021.08.13

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タオル業界の機械シリーズ -1.乾燥機-

こんにちは、FUJITAKA TOWEL社長の藤高 亮です。痛風一歩手前と宣言されました。普段はなかなか見られない製造機械。タオルを製造するにも様々な機械が活躍しています。ここではその中でも特徴的な機械たちを紹介できればと思います。記念すべき第一弾は乾燥機。藤高の系列工場である同心染工では、ご家庭でタオルを乾かすのとは全く違う乾燥方法でタオルを乾かしています。今回はその乾燥機をご紹介していきたいと思います。

これがタオル屋の乾燥機だ!

真っ赤なボディの箱型の機械です。ビアンカラーニ社のAIRO24という名前です。イタリア製となります。赤の配色がイタリアっぽくて?かっこいいですよね。この写真を見ただけだと、これのどこが乾燥機?と思われると思いますので詳しく解説していきたいと思います。

どういう仕組みで乾燥されるの?

こちらが先頭です。ちょうどタオルが入っていくところです。手前のグレーの箱部分にタオルが一時的にたまり、赤い箱部分を往復しながら乾燥されていきます。

こちらは反対側の出口となります。

写真だけでは伝わらないと思いますのでまずは下の図をご覧ください。

 

これは乾燥機の断面図です。こんな感じでタオルが機械の中を移動しています。

 

赤い箱部分をご開帳。ガスバーナーと集塵装置があります。結構スカスカです。

黄色いマル部分のところをタオルが通っています。

 

 

同じ場所を下からみてみます。赤いマル部分が先ほどの写真と同じ部分となります。その下のうっすら青く光っているのがガスの炎です。

ご覧のように巨大なガスバーナーでタオルの通り道を直接あぶっています。最大で150℃まで内部温度を上げることが出来ます。排熱は再利用出来るので従来型の乾燥機より省エネなのもポイントです。

ここがすごい!ビアンカラーニ

この乾燥機でタオルを乾燥すると、非常にボリューミーに仕上がります。皆さんも家庭で乾燥機にかける場合、コインランドリーにあるようなグルグル中が回転しながら乾燥する乾燥機はご存じかと思います。これはタンブラー乾燥機というのですが、これで乾燥するとタオルはフカフカになりますよね?この原理は、簡単に言えば、タオルが乾燥機の中で激しく叩かれることでパイルが逆立ち、フワフワになっているのです。しかし、激しく叩かれているので毛羽が発生しやすくタオルが痩せるのが早まり寿命が短くなる可能性もあります。ビアンカラーニも同じ原理で風合いをボリューミーに仕上げています。しかし、構造が全く違います。その秘密をお見せしましょう!(大袈裟)

このようにグレーのボックスの中にはステンレスの柵が設置されています。タオル生地がこの柵にぶつかることで、叩くというよりかは揉まれている状態となりタオルがフカフカになっていくのです。タンブラーのように激しく叩かれるのではないので毛羽も立ちにくく、タオルを痛めることもありません。さらに、強力な集塵装置を備えているので、色々な色のタオルを同時に乾燥しても毛羽による色移りも全く起こりません。さらにさらに、タンブラー乾燥と違い凄まじいスピードでタオルが乾燥します。なんと1分で巾2mのタオルが10mも乾燥します。人間の歩く速さが大体50m/分なので、50m先に歩いただけの時間で、フェイスタオルが50枚乾く計算になります。よく分からない例えですがそれぐらい早いのです。(従来型の乾燥機の約2倍の速さ)

これは工場内のタンブラー乾燥機です。コインランドリーに置いてある乾燥機と全く同じ機能ですが、容量が大きくフェイスタオル600枚を一度に乾燥できます。

余談ですが、この前コインランドリーで布団カバーを乾燥したところ、カバーのチャックを全開にしていたので、違う布団カバーがすっぽり入ってしまい、40分も乾燥したのにビショビショのままでした。

 

実際に比べてみた

右がビアンカラーニ社製のAIRO24で乾燥したタオルです。左はティース社製の乾燥機で乾燥したタオルです。こちらは風を一定方向から吹き付けることで綺麗な毛並みになるのが特徴です。機会があればこの機械もコラムで取り上げようかと思います。

 

写真ではわかりづらいですが、AIRO24乾燥のほうが、かさ高になりパイルもふんわりしています。実際に触ったらより風合いの差がはっきりしています。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?タオルの乾燥機は他にも沢山種類があります。今回はビアンカラーニ社のAIRO24を取り上げましたが、タオルの特性に合わせて他の乾燥機も使い分けています。機会があればご紹介したいと思います。