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タオルの豆知識

タオルのパイルはどうやって作られるの?

2021.11.15

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タオルのパイルはどうやって作られるの?

こんにちは、FUJITAKA TOWEL社長の藤高 亮です。
タオルの特徴と言えばパイル!とはいうものの、そもそもパイルって何?という方の方が大多数だと思います。皆さんが普段から使っているタオルがなぜよく水を吸うのか、柔らかいのかはこのパイルによる部分が大きいのです。それでは、パイルの簡単な説明からどうやってパイルは出来るのかをご説明していきたいと思います。

パイルとは?

パイルとは、タオルの表面に並んでいるループ状の糸のことです。タオルをよーく見ると、写真のようにループ状の糸がたくさん集まっているのがわかります。一般的な布織物が2次元(平面)だとすると、タオルは3次元(立体)となり糸面積が何倍にも増えることで水をよく吸ったり、ボリュームがでて拭き心地が良くなるわけです。

パイルの仕組み

タオルは織物です。織物とはタテ糸とヨコ糸が垂直に交差することで出来る生地のことを指します。普通の布織物はタテ糸とヨコ糸が1本ずつなのに対して、タオルの場合、タテ糸がパイルとなる糸(上糸)、パイルを支える糸(下糸)の2本あるのが特徴となっています。これらのタテ糸とヨコ糸が3本交わると一つのパイルが形成されます。これを3pic1パイル(スリーピックワンパイル)と呼んだりするのですが、picというのはヨコ糸の本数を表しています。

タオル織機について

パイルの仕組みは説明しましたが、文章だけだとわかり辛いと思いますので先ずは実際にタオルを織っている動画をご覧ください。

※音量注意

この織機は昭和初期のころのタオル織機を復元したものになります。パイルがどうやって出来るかを説明する前に、タオル織機の説明からしていきたいと思います。この織機はシャットル織機と呼ばれるもので、ヨコ糸をシャットルという船型の器に入れてシャットルごと飛ばしてヨコ糸を走らせます。

カラフルなタテ糸がパイルになり、下にある白い糸がパイルを支える下糸になります。

 

 

シャットルがセッティングされているところです。

取り出すとこのような形です。

 

次に飛ばしたヨコ糸を綺麗に打ち込んでいくために筬と呼ばれるくし状のものにタテ糸を整列させ、この筬が前後に動くことでヨコ糸を打ち込んでいきます。

これが筬です、くし状の隙間にパイルになるタテ糸が1本ずつ通っています。

筬に打ち込まれる前のヨコ糸、これではだらーんとして織れません

 

斜めに走っている横糸が・・・筬に押されて(ダジャレ)並びました!

パイルの出来方

いよいよ、本題です。パイルの出来方を説明する場合、普通に調べるといきなりタオルの断面図が出てきたりしてなんのことかさっぱりかわらないと思います。(自分もタオル屋に生まれながら入社するまでさっぱり理解できませんでした)ここまでの予備知識があって、やっとパイルの作り方を説明することが出来ます。これまでの説明の通り、筬に打ち込まれたヨコ糸が3本走ると1つのパイルが形成されます。

左写真は1本目のヨコ糸が走ったあと、右が2本糸が走ったあとです。生地より少し手前でヨコ糸が止まっていますが、この距離がパイルのループの長さになります。距離が離れているほどパイルの高さが高くなります。

左写真:3本目の横糸が打ち込まれようとしています。

右写真:3本目のヨコ糸が打ち込まれた瞬間です。1,2本目のヨコ糸は生地の少し手前で止まっていましたが、3本目のヨコ糸は生地に完全に打ち付けます。この写真では少しパイルが出来つつある貴重な?瞬間です。

完全にヨコ糸が打ち付けられパイルが出来ました。この1,2本目は生地の手前まで、3本目にまとめて生地に打ち付ける動作をテリーモーションといいます。テリーさんが考案したのではなく、単純に英語のテリー=パイルのある織物=タオルが由来であり、直訳すると「タオルの動作」という意味です。

 

自分でパイルを作ってみよう

それでは、最後に実際に手元にあるものでパイルを作ってみましょう。用意するものはズバリ「紐みたいなもの」のみ。ある程度柔らかくて自在に曲がるものなら、なんでも大丈夫です。縄でも紙を切って細くしたのでも、ティッシュのこよりでも大丈夫。私はよくネクタイで実演しています。

 

①紐を用意します

 

②片方の手で写真のように紐を挟みます

紐がパイル糸(タテ糸)、手がヨコ糸だと思ってください。手で糸を挟むときはしっかり挟んで糸がずれないようにするのがポイントです。この写真だと人差し指がヨコ糸の1本目(1PIC目)、順に中指が2本目、薬指が3本目の代わりとなります。この手は既に織りあがった生地部分だと思ってください。次にもう片方の手で同じように糸を挟みます。この手が今からパイルを出すためのヨコ糸になります。

 

③もう片方の手も同じように挟みます

④上の手を、手前に引き寄せると。。

いかがですか?ループが出たでしょうか?この引き寄せる動作がテリーモーションです。ループが出来ないときはひものテンションを強く張ってあげると上手くループになってくれます。これは実際の織物調整でも使われる方法で、少しの加減でパイルが出なくなったりと日々現場で悪戦苦闘しております。

 

まとめ

パイルはどうやって出来るかを簡単にまとめてみました。普段お使いのタオルもこのように織られているので、これを読んで少しでもタオルに興味を持っていただければ幸いです。