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タオルのいろんな織り方 -基本的な組織について-

2021.11.30

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タオルのいろんな織り方 -基本的な組織について-

こんにちは。本社企画の山崎です。
今回はタオルに関して少し踏み込んだお話しをしようと思います。基礎的なタオルの織り方(針・糸の動作)について話していこうと思います。タオルの織り方によって風合いに変化がおこります。

タオルは他の織物となにが違うの?

まず一般的な織物とタオルの違いには、パイル糸が存在するというところです。このパイル糸をテリーモーションと呼ばれる動作でループ状を形成しています。基本的に、パイル糸(上糸)2本・緯糸3本・地経糸(下糸)2本で1つのループを形成します。テリーモーションを簡単に説明すると、上糸のみを少したるませ、他の糸を絡ませて打ち込むことにより、1つのループを作るというものです。この動作を続けることにより、タオルが作成されます。パイルのでき方についてこちらで詳しく書いていますのでよかったらご覧ください。

タオルのパイルはどうやって作られるの?

基本的な組織と針の動き

ここからは少し難しい話になりますが、タオルを形成する上での「糸の動作」について解説致します。

並組織

上から見て

横から見て

これは一般的なタオルの織り方を行った写真になります。糸(針)の動きは下の図のようになっています。

市松

横から見て

写真を見て分かるように、市松模様になっています。市松は基本的にガーゼの組織に用いられます。交差するように織るため、しっかりとした織り方になります。糸(針)の動きは下の図のようになっています。

綾織

上から見て

 

別名斜線とも呼ばれます。先程の市松より柔らかくなる事が特徴で、ガーゼの組織やヘムの組織に用いられることが多いです。糸(針)の動きは下の図のようになっています。

GINZA ショップに陳列されている、世界鶴 シリーズのヘムの組織が綾織の組織になっており、他のヘムと比べても柔らかなタッチになっています。月の場合は、綾織の組織を部分的に反転させることにより、ヘリンボーンの形を形成させています。

世界鶴 -月- 贈り物に。すべてが特別な白いタオル

世界鶴 -風- その名も、風。空気を紡いだように、軽やかなタオル。

世界鶴 -花- 「ふんわり」を究めたタオル。癒しの肌触りを、贈り物に。

ワッフル

上から見て

別名ハチスとも呼ばれます。辺部分を絡ませず、頂点で交差する事により凹凸を出し、立体的表現が可能な織り方になります。

糸(針)の動きは下の図のようになっています。

 

この組織をつなぎ合わせると・・・

ワッフルのような組織になります。見た目もオシャレで凹凸感のある拭き心地なので僕は好きですが、パイルが出ない分吸水性は期待できないことが欠点です。

横から見て

GINZA ショップで販売されている「ワッフルケット」はこのワッフルの組織を崩し、凹凸に変化を付けた組織になっており、通常のワッフルより異形な凹凸感を出しています。

まとめ

いかがだったでしょうか。このように、織り方を変えるだけで、同じ糸でもタッチや見た目にかなり変化が出ます。他にも、ハック織や梨地など数え切れない程様々な組織があり、ただ「タオル」と言えどかなり奥が深いところが、タオルの面白いところでもあります。この記事を機会に触った感触以外にもタオルを目にした時に「こんな見た目や織り方もあるのか」など、少し変わった見方をして、自分好みのタオルを探してみてください。