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タオルの豆知識

タオル業界の機械シリーズ -2.ろ過軟水機-

2021.10.22

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タオル業界の機械シリーズ -2.ろ過軟水機-

こんにちは、FUJITAKA TOWEL社長の藤高 亮です。79cmだったウェストが85cmになっておりました。
普段はなかなか見られない製造機械。タオルを製造するにも様々な機械が活躍しています。ここではその中でも特徴的な機械たちを紹介できればと思います。第二弾は引き続き、藤高の系列工場である同心染工の設備「ろ過軟水機」を取り上げます。

タオルを加工するにあたって一番大事なのは水

今治は昔から高縄山系の豊富な軟水に恵まれておりタオルを加工する良い条件が整っていたことがタオル産地として発展したひとつの要因となっております。しかし、軟水といってもそのまま使えるわけではなく、少なからず水の中にマグネシウムイオンやカルシウムイオンが存在します。これらのイオンが染料や他の薬剤と結びついてしまうと色ムラや加工ムラの原因となってしまいますので、染工場では先ず水の軟水化から始めます。

これがろ過軟水機の全容だ!

 

ろ過

同心染工では主に工業用水を使用しています。工業用水には泥や砂等も含まれるため、最初に沈殿させ、ろ過していきます。イメージ的には大きなフィルターから徐々に目の細かいフィルターに通していき不純物を取り除くイメージです。

 

軟水化

次にイオン交換樹脂というものでカルシウムイオンやマグネシウムイオンを除去していきます。

ちなみに、硬水でタオルを洗濯するとタオルがすぐに硬くなっていきます。これは硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムが炭酸カルシウム等の硬い物質に変化しタオルに付着していくからです。

 

殺菌

これは今治では同心染工にのみある設備(2021年現在)で水の殺菌も行っています。工業用水は普通は飲用出来ないのですが、理由のひとつに雑菌や大腸菌が含まれている可能性があるからです。タオルの加工には影響ないのですが・・・こう聞くと少し嫌な感じがしますよね。でも実際に問題ないのも事実です。家庭でもお風呂の残り水で洗濯をすることは節約術としてよく紹介されています。雑菌が繁殖しすぎていると問題ですが、入ってすぐの残り湯なら問題ありません。これは皮脂汚れや汗は水溶性で洗濯物に汚れが移らないからです。

話が逸れましたが、雑菌自体は多すぎなければ問題ないのですが、毎日大量にタオルを加工する染工場。その日のうちに全てのタオルを乾燥できるわけではございません。長期間濡れたままで置いておくことはないのですが、半日程度の誤差はどうしても生じてしまいます。夏場の生乾き臭のような、雑菌が原因の問題も発生する可能性があります。そこで同心染工では次亜塩素酸ナトリウム(水道水等に用いられる殺菌用の薬品)を投入し殺菌したのちに、活性炭濾過装置で残留塩素を除去します。塩素が残っていても染ムラ、加工ムラが発生するので水質監視装置で24時間監視を行い、異常があれば即座に自動再生(逆洗)を行うようになっています。飲用水の細菌基準100以下、大腸菌不検出に対し細菌10以下、大腸菌不検出という結果が出ており飲用水以上に菌が少ない水を工場内で使用しています。

次亜塩素酸ナトリウムの入った容器

24時間監視しています

 

まとめ

いかがだったでしょうか。タオルにとって最も大事な水を藤高グループでは大切にしております。安心安全な水によってタオルの風合いは格段に良くなります。ちなみに前回お話ししたお話はこちらになります。

タオル業界の機械シリーズ -1.乾燥機-

それでは次回の機械シリーズまで・・・バイバイキーン。